一年も終わりが近づくとクリスマスの季節がやってきます。
もともとクリスマスはキリスト教の宗教行事なので、あまり日本人には関係ないはずなのですが、今はもう当たり前のように欠かせないビッグイベントとなっていますよね。
この季節になると至る所から賑やかなクリスマスソングが聞こえ、ツリーやイルミネーションなどで飾り付けられて街の雰囲気はすっかり様変わりです。
大人たちはパートナーや家族たちと大切な時間を過ごし、子供たちは枕元に靴下を置いてサンタクロースからのプレゼントにワクワクしながら眠るなんてこともあると思います。
でもよく考えてみるとなぜ靴下なのでしょうか。不思議ですよね。
その理由としては、こういわれています。
その昔、聖ニコラウスという聖職者が、ある貧しい家族に金貨を贈ったそうです。この金貨によって家族は救われたのですが、そのとき贈った金貨を入れた場所が家族の家に下がっていた靴下だったというわけです。
もう少し詳しく説明しますね。
プレゼントを靴下に入れる理由とは?
サンタクロースがクリスマスプレゼントを靴下に入れる理由を詳しく説明する前に、聖ニコラウスという人物が何者なのかを先に説明しましょう。
聖ニコラウスとは4世紀初頭に実在した人物です。かつてヨーロッパ・西アジア・北アフリカを席巻したローマ帝国の時代、リュキアのミラ(今のトルコ)という場所で大主教を務めました。
彼は弱者を助けたり数多くの奇跡を起こすなど聖人として称えられる人物で、もう皆さんもお気づきのことと思いますが、サンタクロースのモデルとされています。
そして、プレゼントを靴下に入れる理由となった話とは、こんなお話です。
あるところに3人の娘のいる貧しい家族が住んでいました。その家族は貧しさのために、泣く泣く娘を身売りしようと考えます。それを知った聖ニコラウスは、ある夜その家族の住む家に行って金貨を投げ入れたのです。
そして金貨はたまたま暖炉に提げていた靴下の中にすっぽりと収まったそうです。貧しい家族はこの金貨を頼りに娘を身売りせずにすんだというのがだいたいのお話です。
その後、このお話がもととなってクリスマスプレゼントを靴下に入れるようになり、それが世界中へと伝わっていったのです。
なんとも心温まるお話でしたね。
聖ニコラウスとクリスマスの関係とは?
ここまで、靴下にクリスマスプレゼントを入れるようになった理由を説明しました。一応、なるほどとそれなりに納得がいくものだったと思います。
ですが、ここで新たな疑問が出てきませんか。
これまでの話をまとめるとこうです。
▼
金貨が靴下に入った
▼
家族は大喜び
▼
靴下にプレゼントを入れるようになった
あれ?クリスマスが出てきませんよね。
クリスマスと聖ニコラウス、いやサンタクロースにはどんな関係があるというのでしょうか。
実をいうと直接の関係はないんです。
聖ニコラウスは聖人として称えられたというお話を先ほどしましたが、オランダでは12月6日の命日に「シンタクラース祭」という彼を称える祭りがありました。
これが17世紀ごろにアメリカへ渡ったオランダ人からアメリカへと広がり、このときにクリスマスと「シンタクラース祭」が結びついたということのようです。そしてこのシンタクラースがサンタクロースとして伝わって今に至っているのです。
まとめ
子供の頃、クリスマスに靴下を用意したという人は多いのではないでしょうか。
それは幼稚園だったり、学校だったりの行事でクリスマスプレゼント=靴下というのがきっと刷り込まれているからなのでしょう。でもそう認識されている割には、その理由についてはあまり知られていないように思います。
テレビなどでも紹介されそうなものですが、聞いたことがありません。なんか不思議ですよね。
今度のクリスマス、聖ニコラウスの金貨のエピソードをお子さんやまわりの友人などにお話しされてみてはいかがですか。クリスマスがより盛り上がるかもしれませんよ。