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三途の川の渡し舟には運賃が必要!?料金と理由を解説

三途の川の渡し舟 生活
三途の川の渡し舟
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「地獄の沙汰も金次第」という言葉があります。

これは、世の中すべては金、金さえあればなんとかなるといった意味です。その話とは少し話がズレますが、死者がたどり着いた先にあるという三途(さんず)の川、実はここを渡るにも料金がかかるというのを知っていますか。

死者が三途の川を渡るためには、渡し舟を使うといわれています。この渡し舟の運賃が6文(もん)

この6文が今の貨幣価値でいうと、どのくらいのだったかというと…

時代にもよるので一概にはいえませんが、だいたい200円から300円程度だったと考えていいでしょう。公共バスの均一料金といったところなので、最後にお金を使う場所としては意外と安いかもしれませんね。

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三途の川とは3つの〇〇

ヒガンバナ
そもそも「三途の川」が何なのかというと、あの世とこの世を隔てる川のことです。

死者がたどり着いたところには川があって、そこを渡し舟で渡るといった考え方は、いかにも日本ぽい感じがしますよね。でも、こうした考えは日本に限った話というわけではなく、実は広く世界中にあります。

日本には古代以前に、おそらくは中国あたりから伝わったと考えるべきでしょう。

では、「三途」とは何のことでしょうか?

この「三途」と呼ばれるようになった理由には、いくつかの説がいわれています。まず最初に渡り方が3種類あったためというものです。この考えによれば、渡るための道が善人の人・罪の軽い人・罪の重い人、それぞれ人生の行いによって分けられているんだとか。

何も悪いことをしていない人、いわゆる善人の人は、三途の川にかけられた金銀七宝で作られた橋をゆうゆうと渡ります。次に、比較的罪の軽かった人は、橋ではなく山水瀬という浅い瀬を渡ります。最後に、重い罪を犯してしまった人は、強深瀬や江深淵と呼ばれるとんでもない場所を渡らせられるというものです。

これら3つのルートに由来して、「三途」と呼ばれるようになったというのがひとつの説です。そしてふたつめの説は六道信仰に由来するというもの。

六道(ろくどう・りくどう)とは、天道(てんどう)・人間道(にんげんどう)・修羅道(しゅらどう)・畜生道(ちくしょうどう)・餓鬼道(がきどう)・地獄道(じごくどう)の6つの世界があるとの考えです。

なかでも、悪いことをした人が落ちるといわれている、畜生道・餓鬼道・地獄道は三悪道とも呼ばれ、これが「三途」の由来となったとされています。

運賃が6文になった理由は六道銭

真田の六文銭
死者を送るときに、副葬品としてお金を持たせる習慣は古くよりありました。あの世でお金に困らないようにという思いや、邪気を払うなどの意味があったようで、これらは冥銭とも呼ばれます。

ただ、最初から三途の川の渡し賃という意味だったわけではなく、6文ということもなかったようです。これが変質したのは平安時代末期のこと。

このころになると、それまで橋や瀬を歩いて渡るとされていたのが、渡し舟で渡るという考え方に変わります。そうして冥銭の意味合いが、次第に渡し賃という考え方に変わっていったとのことです。

また同じころ、六道信仰が庶民へ浸透していき、冥銭は六道銭という呼び方がされるようになっていきます。のちにこの六道といところから、特にいくらと決まっていなかった冥銭が貨幣6枚という風に変わっていったのです。

つまり、金額の問題ではなく、貨幣を6枚用意するところに意味があったということですね。

では、もし渡し賃を持っていなかったらどうなるのでしょうか。

実は三途の川には番人がいます。その名も奪衣婆(だつえば)と懸衣翁(けんえおう)。いかにも恐ろしげな名前ですが、渡し賃がない場合にはこのじーさん、ばーさんによって身ぐるみはがされるといわれています。

ただ、この冥銭は渡し賃以外にも別の解釈があって、六道の6つの世界には地蔵菩薩がそれぞれ現れるので、それに1枚ずつ渡すためともいわれています。

ちなみに、真田幸村で有名な信州真田氏の家紋といえば六文銭。この家紋も三途の川の渡し賃に由来しており、「いつ死んでもいい」「死を恐れない」などの意味があるといいます。

まとめ

お遍路さん
善人・罪の軽い人・罪の重い人で渡り方が違うといいますが、これは何ではかられるのでしょうか。

といっても、この解釈はあくまで平安時代以前の解釈。今は渡し舟でのんびりクルージングですものね。

でもまあ、金銀で装飾されたごりっぱな橋をゆうゆうととまではいいませんので、せめて浅い瀬を渡れるぐらいの人生は送っていければなあ、と思う今日このごろです。

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